Japanese
English
臨床報告
肝に発症したメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例
Liver tumor associated with a methotrexate-associated lymphoproliferative disorder
松浦 裕司
1
,
水野 伸一
1
,
日比野 正幸
1
,
平田 明裕
1
,
玉内 登志雄
1
,
浦野 誠
2
Hiroshi MATSUURA
1
1JA静岡厚生連静岡厚生病院外科
2JA静岡厚生連静岡厚生病院病理検査室
pp.1015-1020
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210849
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要旨
症例は76歳,男性.20年以上前に関節リウマチと診断され,5年前からメトトレキサートを内服していた.C型慢性肝炎の合併のため,腹部超音波検査を施行したところ,肝S6に径2 cmの境界明瞭な低エコー腫瘤が指摘された.腹部CT,MRIにて高分化型肝細胞癌と診断し,肝部分切除術を施行した.病理検査では,免疫染色の結果からdiffuse large B cell lymphomaが疑われたが,既往歴からメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患と診断した.本疾患の罹患者は85%が関節リウマチ患者であり,その治療に用いるメトトレキサートの内服が関連しているとされる.内服中止により寛解が得られることがあり,治療方針の決定に本疾患の診断は重要となる.肝単発で発症した症例はきわめて稀であり報告する.
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