一般外科医のための形成外科手技・12
筋肉弁と筋皮弁を利用した再建法—2.会陰・臀部の再建
山田 敦
1
Atsushi YAMADA
1
1東京大学医学部形成外科
pp.1909-1916
発行日 1989年12月20日
Published Date 1989/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210586
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はじめに
筋皮弁が利用可能になる以前,臀部・会陰部の再建は困難なものであった.特に会陰部の創は部位的に術後感染を起こしやすく,多くの場合この部位の悪性腫瘍には多量の放射線照射が行われている.したがって,創傷治癒が悪く,瘻孔を生じやすく,その瘻孔が自然閉鎖しないため患者の社会復帰を著しく遅らせていた,また仙骨部や坐骨などは褥創の好発部位でもある.筋肉弁および筋皮弁の発達により,臀部,大腿部では利用できる筋肉の数が多く,比較的長い筋皮弁を挙上できることが明らかにされ,この部位の再建が一変された.利用される筋肉としては,大臀筋,薄筋,大腿筋膜張筋,縫工筋などが主なものである.また大臀筋より大腿後面に穿通する血管を利用した臀部大腿皮弁は純粋の筋皮弁ではないが,有用であり多用されている.
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