表紙の心・19
—南フランスの医学の都—モンペリエのシンボル
大村 敏郎
1,2
1川崎市立井田病院外科
2慶応義塾大学医史学
pp.914
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210398
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聖ルイ王(Saint Louis,1212〜1270)や外科医の元祖ジャン・ピタール(Jean Pitard, 1228〜1315)が活躍したのは13世紀である.この同じ世紀に生れたものとしては医学部がある.フランスで最古のものはモンペリエ大学であった.
モンペリエは古くから香辛料の商人たちが集散した町であった.中近東との交流があり,薬草の効力を知り,医学を研究する気運の高い町であったから,医学部が生れるのに応わしい土壌であった.1220年医学大学として発足し,これまであったいくつかの医学校の教育制度を統一し,試験を定めて全世界に通用する医師の資格を制定した.
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