Japanese
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特集 食道癌の手術
胸部食道癌根治手術—結腸による食道再建
Radical operation for thoracic esophageal cancer: Reconstruction of the esophagus using colon
吉野 邦英
1
,
遠藤 光夫
1
Kunihide YOSHINO
1
,
Mitsuo ENDO
1
1東京医科歯科大学第1外科
pp.909-913
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210397
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結腸による食道再建で手技上最も大切なことは,血行がよく十分長さに余裕のある結腸を,いかに安全に頸部へ挙上するかということである.このためには結腸全体を周囲より授動して,transilluminationによって血管系を十分によく観察することが必要である.とくに回盲部,左右結腸曲付近の辺縁動脈に,断絶や狭小化などがないかどうかをよく確かめる.右側結腸か左側結腸の選択は,辺縁動脈の状態の良い方にする.左側の場合は左結腸動脈を,右側の場合は中結腸動脈を栄養血管とする有茎結腸を作成し,いずれも順蠕動性に挙上する.挙上に際しては,辺縁血管に沿って挙上に必要な長さを測り,十分余裕をもたせて結腸の切離部位を決定すべきである.
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