Japanese
English
特集 食道癌の手術
頸部食道癌根治手術—腸管遊離移植による食道再建
Intestinal autotransplantation for reconstruction of cervical esophagus
加藤 抱一
1
,
日月 裕治
1
,
渡辺 寛
1
,
小野 勇
2
,
海老原 敏
2
,
中塚 貴志
3
,
波利井 清紀
4
Hoichi KATO
1
1国立がんセンター病院外科
2国立がんセンター病院頭頸科
3国立がんセンター病院形成外科
4東京大学医学部形成外科
pp.885-889
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210393
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
頸部食道の再建法として,40例の腸管遊離移植の経験から,その手技上のポイントを示し,有用性を強調した.腸管遊離移植に重要なことは,優れた微小血管外科医と,その他の外科医のチームワークであり,具体的ポイントは,移植床血管の的確な処理,適切な腸管の採取,移植床における腸管と血管の適切な配置である.移植腸管はヘパリン化や冷却なしに室温にて阻血3時間までは生着に問題がない.合併症の大部分は口側消化管の縫合不全であったが,腸管遊離移植に関して,致命的となる合併症はなく,他の頸部食道再建法に比べても,より安全で確実な方法であり,食物の経口摂取も日常生活に差し支えない程度に十分可能である.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.