目で見る外科標準術式・1
頸部食道切除後遊離空腸再建
吉野 邦英
1
,
奈良 智之
1
Kunihide YOSHINO
1
1東京医科歯科大学医学部第1外科
pp.91-97
発行日 2000年1月20日
Published Date 2000/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904010
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はじめに
頸部食道癌切除後に遊離空腸で再建可能なのは癌が頸部に限局し,縦隔リンパ節転移のない場合である.術前に縦隔リンパ節転移が疑われたり内視鏡的に切除が不可能な胸部食道の副病変をもつものは,開胸して胸部食道を切除するため胃管または結腸による再建となる.
また頸部食道に限局した癌であっても喉頭が温存できるのは前壁側の口側境界が下咽頭にかからないことと,気管や反回神経など周囲臓器への浸潤がないことが条件となる.
ここでは喉頭が温存可能な頸部食道に限局した癌に対して,両側頸部郭清,頸部食道切除後遊離空腸による再建の術式の要点を述べる.
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