一般外科医のための形成外科手技・1【新連載】
一般外科と形成外科の接点と手技の相違
波利井 清紀
1
Kiyonori HARII
1
1東京大学医学部形成外科学教室
pp.97-103
発行日 1989年1月20日
Published Date 1989/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210267
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はじめに
近年における外科学の進歩は著しく,特に各専門領域の細分化と手術手技の開発には目を見張るものがある.従来使われてきた『一般外科』という言葉は,このように専門領域に細分化された現代の外科学において,すでに存在しないものかとも思われるが,腹部外科を中心とした広い範囲の外科を指すときには便利の良い言葉である.
今回より始まる連載は形成外科医以外の外科医を広く対象に(このためあえて一般外科という言葉を使った),形成外科の基本的手技を紹介し日常の診療に役立てていただこうと企画されたものである.形成外科においてはマイクロサージャリーやクラニオフェーシャルサージャリーなどの新しい手技が次々と開発されているが,古くより皮膚外科skin surgeryと呼ばれるものがあり,さまざまな原因により欠損したり変形を起こした体表組織を速やかに修復し,患者の早期社会復帰を計るほか,創に対する整容的な面での不満を少なくしている.
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