老医空談・5
迎春ノート
斉藤 淏
pp.94-95
発行日 1989年1月20日
Published Date 1989/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210266
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12月号のゲラ刷に,次は新年号ですヨ,との親切な添書を見た.何と気の早いことかと思ったが,その日の新聞にも,新年準備の記事として"忙—伝統の手ぬぐい染"の広告を見た.しかしデパートもまだ騒いでいない時であった.編集子の言うには,編輯ではなくて編集の時代ですから,玉稿集めを急ぐためですと,また今の若い先生達は,暮と正月の休みの準備で忙しいのですよと付け加えた.青年外科医の生活も考えずに,馬齢を重ねようとしていた老医が思い知らされたのでした。
それにしても,「臨床外科」には季節のテーマはないはずである.新年号の玉稿をと騒ぎたてられるのは編集後記と連載に寄稿する者しかないはずである.とにかく迎春までに相当に時間のあることだから雑記帳を新調して,思いつくままを書き並べておくことに取りかかったのでした.
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