特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療
EDITORIAL
明日の外傷治療への指針
斉藤 淏
1
1日本医科大学・第二外科
pp.1171-1172
発行日 1971年8月20日
Published Date 1971/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205406
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交通事故による外傷は多い.1970年代の救急治療を代表するものである.その内容は複雑であり多くの重症を含んでいる.しかし生命を失う者も後遺症に悩む者も著しく少なくなりつつあることは事実である.そこで今日の外傷に,昼夜の別なく身をもつて取り組んでいる外科医の経験を伺い,明日の治療への示唆を求めて本特集は企画された.いま通読するに,斬新な診療の現況が到る処で明示されているのみならず,明日の治療に対しても力強い助言が与えられている.いずれも辛酸をなめ尽し,体験を基になされた尊い論著である.心に残る記録のなかから,主として初療をめぐる2,3を取りあげながら,感慨をまとめてみたい.
すべての救急担当医は,慎重・迅速・積極・的確・確実などを自覚し,きびしく自縛している現実が痛いほどに感じられる."Wait and Seeの許されない"(和田寿郎),とくに"初療は最終結果と直接結びついている"(諸橋政樻)ということがあらためて強く印象づけられた.
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