特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
小腸・大腸
骨盤内臓全摘時におけるSantorini静脈叢切離
北條 慶一
1
Kei-ichi HOJO
1
1国立がんセンター外科
pp.825-827
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210042
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骨盤内臓全摘術は侵襲の大きな手術であるが,慎重な手術操作とくに側方アプローチの導入でenblocに,かつ系統的血管処理で出血量は著しく減少し,手術時間は長いが比較的安全な手術となった.標題のようなSantorini静脈叢の損傷は膀胱,前立腺など切除時においてしばしばみられ多量出血の原因になるが,骨盤内臓全摘の場合は解剖でわかるように会陰創から処理するのでほとんど問題にならない.間違って前方剥離で深追いするとSantorini静脈叢に近づき過ぎ,損傷すると止血が容易でなく大量の出血の原因となり,適切な操作が要求される.周辺の解剖を熟知することがなによりも肝要である.
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