特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
食道
有茎空腸による食道再建
平山 克
1
,
西平 哲郎
1
,
森 昌造
1
Katsu HIRAYAMA
1
,
Tetsuro NISHIHIRA
1
,
Shozo MORI
1
1東北大学医学部第2外科
pp.732-734
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210010
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有茎空腸による食道再建は,いわゆる犠牲腸管を必要とすること,吻合数が多く手技が煩雑で手術侵襲が大きいこと等の欠点があるが,他方,術後愁訴の面など他の術式に比べていくつかの利点があり,適応を守って行えば非常に有用な術式である.また,胃切除後食道癌や同時性食道胃重複癌などでは,再建臓器として空腸または結腸を用いなければならず,本法は食道再建術式の一つとしてぜひ習熟して頂きたい術式である.
本法の手術手技上の要点としては,第1に栄養血管として用いる血管枝の選択を慎重に行うことが大切であり,さらに血管系および腸間膜の切離,犠牲腸管の切除,有茎空腸片の挙上,吻合という一連の操作を,移植片の挙上性と血流の2点を念頭において丁寧に行うことが重要である.
本稿では,有茎空腸による食道再建術に関して,手術手技上のポイントを中心に述べたい.
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