Japanese
English
臨床報告
肝膿瘍ドレナージ後に肝肉芽腫を形成した1例
A case of granuloma formation of liver following PTC drainage of liver abscess.
村田 郁夫
1
,
高橋 知秀
1
,
八ッ橋 輝海
1
,
須田 清美
1
,
田中 隆
1
,
坂部 孝
1
Ikuo MURATA
1
1日本大学医学部第3外科
pp.127-130
発行日 1988年1月20日
Published Date 1988/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209919
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肝の孤立性肉芽腫は稀な疾患で,原因は不明とされている.近年の画像診断技術の発達と肝臓外科の進歩に伴い,多くの肝疾患の病態が明らかにされつつある.孤立性化膿性肝膿瘍に対しては,現在は一般的に超音波誘導下に経皮的ドレナージが行われているが,肉芽増生の著しい肝膿瘍や炎症性肉芽腫ではドレナージによる治癒は望めず,肝切除が適応となっている.
今回,我々は超音波誘導下に経皮的ドレナージにより消失した孤立性化膿性肝膿瘍が,約2年後に肝肉芽腫として再発し,肝切除により治癒した症例を経験した.
著者らの検索しえた範囲内では,肝膿瘍が肝肉芽腫に進展した報告はみられなかったので,若干の文献的考察を加え報告する.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.