文献抄録
敗血症におけるXIII因子の血漿フィブロネクチンへの関与
篠沢 洋太郎
1
1慶応大学医学部外科
pp.1177
発行日 1987年7月20日
Published Date 1987/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209765
- 有料閲覧
- 文献概要
フィブロネクチン(FN)は分子量440,000のグリコプロティンで,血漿中,結合織内,細胞表面に存在しオプソニン因子として食細胞とともに生体防御に関与するほか,創傷治癒,血管新生などに関与する.臨床例では術後,熱傷時,敗血症時FNは低下,ARDSなどの臓器障害との関係が示唆されている.一方実験動物の敗血症ではFNは上昇する場合が多く,著者らは臨床例との相違の原因を考察するとともに,FN同士,FNとフィブリン,コラーゲンなどとの結合に関与するXIII因子(XIII)とFNとの関係を検討した.
ラットを1)コントロール,2)非致死量の緑膿菌(Pseud.)投与群,3)細網系(RES:reticuloendotherialsystem)ブロック群,4) RESブロック+Pseud.投与群の4群にわけ,0,2,24,48時問後の血漿中のFN,XIII,肝,肺,脾,腎の抽出可能な組織FNを測定した.さらに腹膜炎ラットにおけるXIII投与の血漿FNへの影響を観察した.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.