My Operation—私のノウ・ハウ
胆摘,総胆管切石,T字管設置術
小山 研二
1
,
田中 淳一
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.1171-1175
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209491
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適応と手術
胆嚢摘出術(胆摘術)は,胆嚢結石,胆嚢炎,胆嚢腫瘍など胆嚢自体に病変のある場合に適応となるのはいうまでもない.ほかに,胆管切石術,胆道再建術,内胆汁瘻造設術,乳頭形成術などのさいにも行われる.これらの手術により上行感染が生じやすいため予防的にも広く行われる.
胆管切石術は胆管(多くは総胆管)を切開して胆石を摘出するが,時に結石は肝内に及んだり,胆管末端に嵌頓していて摘出に難渋することもある.結石を完全に除去するためには慎重な触診,チューブを経由しての胆管内洗浄と造影および内視鏡的観察下の摘出も重要な手技である.また,術前の超音波検査,DIC,ERCP,PTCにより結石の存在部位のみでなく,肝内外胆管の狭窄,拡張の有無など胆道系の状態を十分に把握しておくことが不可欠である.そして,それにもとづいて理にかなう術式を検討し予定しておくことが重要で,術中の所見で術式を決めようという安易な態度は望ましくない.
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