Japanese
English
特集 糖尿病合併患者の手術と管理
糖尿病と膵移植
Transplantation of the pancreas
水戸 廸郎
1
,
江端 英隆
1
,
古井 秀典
1
Michio MITO
1
,
Hidetaka EBATA
1
,
Hidenori FURUI
1
1旭川医科大学医学部第2外科
pp.311-316
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209271
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1966年12月,ミネソタ大学で初めて行われた膵臓器移植は,1984年6月までに454人の糖尿病患者に対し485回の移植が行われた.移植成績も上昇し,1年機能膵は29%となつた.一方,ラ氏島同種移植は166例に行われたが,機能したという報告はない.
膵移植は糖代謝是正のみならず糖尿病二次病変の改善をも目的としている.膵臓器移植は膵管処理法に苦心を要したが,膵管充填法の開発により普及し,最近ではより生理的な膵管空腸吻合が用いられ成績も向上している.また部分膵より全膵さらには十二指腸を含む全膵の移植も行われるようになつてきている.HLA matchingとの関係はliving rel—ated donorを用いた成績より検討され,両者の密接な関係が判明してきた.CsAはAza,Steroidとの3者併用の有効性が示されてきた.ラ氏島移植は動物実験において画期的な方法が開発され,ヒトにおけるラ氏島単離法の開発が急務である.
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