特集 がん・画像診断の死角
骨盤腔内臓器
作山 攜子
1
1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.221-241
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209032
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はじめに
骨盤腔内臓器は膀胱を除き,男女によつて包含されている臓器が異なつており,取り扱う科も外科はもちろん,内科,泌尿器科,産婦人科など,多岐にわたつている.しかし骨盤内腫瘤性病変を主訴として来院した場合には,精査を目的として放射線科に画像診断が依頼されることが多い.今回は病変の起源臓器が不明の骨盤内腫瘤性病変について,単純写真,超音波断層,CT,RIシンチグラフィ,血管撮影などの各画像診断の進め方,各modalityの適応,画像的特徴,その死角などについて述べることとする.
画像診断とは多岐にわたる検査手段より,最も適切な方法を組み合わせ,患者に対しては少ない侵襲で,しかも短期間で診断し,治療方針を決定するためのものである.したがつて,検査をすべて行うのではなく,どの順序で検査を行うか,またどの段階で検査を終了するかが最も決断を要するところである.
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