今月の臨床 子宮内膜症—Controversy '96
子宮内膜症—私はこうしている
2.骨盤腔内癒着の評価
星合 昊
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.56-58
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902387
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子宮内膜症の二次性病変としての癒着は,器質的な不妊の原因としてばかりでなく,疼痛とりわけ月経時以外の疼痛の原因のひとつとしても考えられている.しかし,不妊の原因としても疼痛の原因としても,妊娠の可能性や疼痛の程度は必ずしも腹腔内癒着の面積や程度によるとは限らず,むしろ癒着の部位によることが多いと考えている.例えば,卵管周囲癒着が卵管峡部に限局していて卵管膨大部以端に癒着がなければ,卵巣がkissing ovaryになっている例でも妊娠可能な例があるようなことである.現在,世界中で使用されているアメリカ不妊学会による子宮内膜症の臨床進行期分類(改訂版)の癒着スコアであっても,骨盤腔内全体の癒着の評価であるため,必ずしも不妊の治療後の妊娠率や疼痛の程度とスコアは相関しない1).
そこで今回は,現在使用されている癒着の評価法に私の試みを加えて紹介する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.