今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”
腹腔鏡手術のピットフォール
良性疾患
4.骨盤臓器脱
谷村 悟
1
,
飴谷 由佳
1
,
舟本 寛
1
1富山県立中央病院産婦人科
pp.1058-1065
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208549
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●腟壁を包括的にメッシュで覆う腹腔鏡仙骨腟固定術(LSC)は,ゴールドスタンダードになりうる.
腹腔鏡下で可能な骨盤臓器脱手術は進歩により多彩になった.従来腟式や腹式で行われていた多くの手技が腹腔鏡で可能になり,なかでもLSCは標準手技になりうる.
●LSCにはメッシュ特有の注意点がある.
人工物を用いるため易感染性のある患者には使わない.術中は慎重な清潔操作と十分な止血・洗浄を行い,術後はメッシュ感染と露出に注意する.
●LSCの安全な手技には術野確保と椎体周囲解剖の知識が必要.
椎体前面や後腟壁深部操作を要するため,腸管の移動による術野確保が重要である.また不慣れな椎体前面の剝離を安全に行うには解剖学的知識が必要である.
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