増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅱ.磁気共嗚画像検査法(MRI)
3.検査の実際
7)骨盤臓器
富樫 かおり
1
1京都大学医学部附属病院放射線核医学
pp.201-209
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902354
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の進めかた
検査適応,検査時期
婦人科領域において,MRIは病変の精査,すなわち質的診断という用いかたが基本となる.すなわち,超音波で同定された腫瘤の性状評価や鑑別診断,子宮悪性腫瘍の病期判定,筋腫や腺筋症の鑑別診断または詳細な位置的情報を示すことがMRIの基本的な役割といえる.
他の検査法と比較したMRIの長所は,①非侵襲的でCTのような被曝がなく,かつ人体に対する生物学的悪影響はない.これは生殖可能年齢女性,良性疾患の頻度の高い婦人科領域の検索法として重要である.②優れた組織コントラストを持ち,液体や軟部組織における組織の差異を信号の差異として示し,特に血液・脂肪の特異的診断を可能とする.この点が超音波,CTと比較した最も大きな利点である.③任意の断面における撮像が可能などである.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.