講座 腫瘍マーカー—適応と限界・1【新連載】
膵癌
高見 博
1,2
,
尾形 佳郎
1,2
,
阿部 令彦
1,2
Hiroshi TAKAMI
1,2
,
Yoshiro OGATA
1,2
,
Osahiko ABE
1,2
1慶応義塾大学医学部外科
2現・東京電力病院外科
pp.663-666
発行日 1985年5月20日
Published Date 1985/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209011
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はじめに
膵癌の早期発見は最近急速に進歩している画像診断法を駆使しても困難であり,糖尿病や閉塞性黄疸をきつかけに進行した癌になつて診断されることが多い.
一方,CEA,ferritin,RNaseなどの現在の腫瘍マーカーの多くは臨床的に満足しえるものではない.その中で著者らは膵疾患のスクリーニングにはamylase,ela—stase 1などが,さらに膵疾患のうちで,膵癌の診断には糖鎖抗原CA 19-9や膵癌胎児抗原(POA)などが比較的有用と考えている.本稿ではそれらのうちCA19-9とPOAを中心に膵癌診断の臨床的適応と限界について述べたい.
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