Japanese
English
臨床報告
カルシトニン測定により確診しえた甲状腺髄様癌の1例
A case of medullary thyroid carcinoma diagnosed by plasma calcitonin assay
高見 博
1
,
阿部 令彦
1
,
薬丸 一洋
2
,
相羽 元彦
2
,
三村 孝
3
,
伊藤 国彦
3
,
亀谷 徹
4
,
安達 勇
4
Hiroshi TAKAMI
1
1慶応義塾大学医学部外科
2慶応義塾大学医学部病理
3伊藤病院
4国立がんセンター
pp.1657-1660
発行日 1976年12月20日
Published Date 1976/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206649
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はじめに
甲状腺髄様癌は1959年Hazardら4)の報告以来,充実性蜂巣を示し,間質にはアミロイド沈着を認め,高頻度にリンパ節に転移し,明らかに未分化癌と区別できる甲状腺癌として独立した疾患と考えられてきたが,近年その腫瘍細胞は傍濾胞細胞(parafollicular cell,Ccell)由来であり,血中カルシウム濃度を低下させるThyrocalcitonin(CT)を分泌することが判明し,ホルモン産生腫瘍としてにわかに脚光を浴びるようなつた.著者らは甲状腺右葉の極めて小さな病巣より広汎な転移をきたし,血漿CT値の測定により確定診断できた甲状腺髄様癌の1例を経験したので報告する.
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