特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
膵臓
膵頭十二指腸切除術における脈管剥離—門脈,上腸間膜静脈,上腸間膜動脈,胆管
尾形 佳郎
1
,
菱沼 正一
1
Yoshiro OGATA
1
,
Shoichi HISHINUMA
1
1栃木県立がんセンター外科
pp.910-912
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210070
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膵頭部癌あるいは下部胆管癌,Vater乳頭部癌においては膵頭十二指腸切除が標準術式であるが,リンパ節郭清や後腹膜神経叢の切除に関しては膵頭部癌で最も広範であり,ここでは膵頭部癌の術式について述べた.脈管の剥離に際しては術前に血管造影・胆道造影をよく読影しておくことがvariationの多いこの領域では重要であり,さらに浸潤範囲をよく理解したうえでどこから剥離をすすめるのが良いか術前・術中に検討する必要がある.膵癌では周囲血管へ浸潤していることが多く,症例によってはかなり脈管剥離をすすめないと切除可能か否かを判断することが困難なことがあるが,最終的には局所所見,患者の全身状態,術者の経験などから進むか,退くかを決めなくてはならない.
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