Japanese
English
臨床報告
閉塞性大腸炎の1例
A case report of obstructive colitis
田中 忠良
1
,
森重 一郎
1
,
大西 博三
2
,
松井 規親
3
Tadayoshi TANAKA
1
1愛媛労災病院外科
2愛媛労災病院病理
3山口大学医学部第1外科
pp.551-554
発行日 1985年4月20日
Published Date 1985/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208993
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
大腸の閉塞ないし狭窄とくに癌腫による閉塞によつて,その口側腸管に発生する潰瘍性病変の報告は1950年頃より散見されるが,その名称もまちまちでそれ程注目されていなかつた.1966年,Glotzerら1)は実験的に類似の病変の作成に成功して,obstructive colitisと命名したが,本邦でもこれにならつて閉塞性大腸炎と呼称されている.
本症の肉眼的所見の特徴は,結腸紐にほぼ一致する縦走潰瘍であるといわれているが2,3),われわれは直腸癌とS状結腸癌の同時性重複癌に合併し,全周性潰瘍形成の見られたきわめて稀な症例を経験したので報告する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.