トピックス
肝臓の移植
菅原 克彦
1
Sugahara Katsuhiko
1
1東京大学石川外科
pp.931-933
発行日 1966年7月20日
Published Date 1966/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204030
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近代外科学は,罹患臓器ないし組織を摘出,切除する努力から,さらに臓器移植への,けわしい道をたどりつつある.病廃臓器をとりのぞいて新鮮な臓器でおきかえることが,いかなる治療法を試みても,望みのない疾患への新しいアプローチであろうが,治療効果を得るためには,いくつかの部厚い壁を破らねばならない.
米国のJ.E.Murrayのところで現在登録発表されている腎移植は672例で,147例が1年以上生存しているが,わずか2年前の成績と較べると驚異的であるといわざるをえず,donor腎摘出の時期,灌流と保存,手術手技,donor選択およびいわゆるrejection現象抑制の検討などのたゆまぬ努力による進歩である.
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