特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている
食道手術
乳糜胸を作つてしまつた
鶴丸 昌彦
1
,
秋山 洋
1
1虎の門病院消化器外科
pp.752-753
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208655
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胸管は胸腔内では奇静脈と大動脈の間にあり上行するに従い食道と隣接するようになり,更に上縦隔すなわち,奇静脈付近ないしは第4〜5胸椎付近で左側へ偏位し,左静脈角に注ぐことが多い.食道と胸管は大部分が相接しているため,胸部食道の進行癌では合併切除されることが少なくないし,また,胸管内に腫瘍塞栓が見られることがあるとの理由でルーチンに合併切除する施設もある1).
胸管を術中損傷した時はその上流(腹腔側)で確実に結紮しておかないと乳糜胸となる.乳糜胸の死亡率は報告者により異なるが10%から50%までで,以前にはかなり高い死亡率であつた.
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