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特集 プラスマフェレーシス
治療への応用—悪性腫瘍
Studies on plasma exchange for malignant diseases
小玉 正智
1
,
角田 冨士男
1
,
谷 徹
1
,
上原 鳴夫
1
Masashi KODAMA
1
1滋賀医科大学第1外科
pp.1733-1742
発行日 1983年12月20日
Published Date 1983/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208504
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はじめに
悪性腫瘍に対する血漿交換療法は1976年Br-owneら1),Herseyら2),Israelら3)によつて行われたのが最初と考えられている.以前より指摘されている様に,担癌生体は細胞性あるいは体液性免疫抑制物質を有しているが,悪性腫瘍に対する血漿交換療法の目的は,それらを除去することによつて細胞性,体液性免疫機能の回復を計り,抗腫瘍効果を上げようとする考えが一般的である.
われわれの施設,滋賀医科大学第一外科に於いても1982年5月より1983年2月までの10カ月間に切除不能胆嚢癌,胃癌再燃による癌性腹膜炎,結腸癌転移による転移性肝癌,胃癌転移による転移性肝癌,乳癌再発による癌性胸膜炎及び肝転移を伴う切除不能膵癌の6症例に対し血漿交換療法を合計40回施行し,切除不能胆嚢癌症例では腫瘤触知不能となり(irradiation併用),乳癌再発による癌性胸膜炎症例では胸水消失(OK−432,Ta-moxifen,ADM併用)をみ,胃癌再燃による癌性腹膜炎症例を除く他の5症例ではすべて自覚症状の著しい改善をみたので,血漿交換療法施行前後の諸検査値の変動を中心に,施行法,臨床効果について考察を加えた(表1).
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