Japanese
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特集 プラスマフェレーシス
治療への応用—拒絶反応
Plasmapheresis on renal transplant rejection
大坪 修
1
,
高橋 郁夫
1
Osamu OHTSUBO
1
,
Ikuo TAKAHASHI
1
1東京大学医科学研究所人工臓器移植診療科
pp.1743-1747
発行日 1983年12月20日
Published Date 1983/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208505
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はじめに
腎移植の成績は近年特に改善されてきているものの,拒絶反応を起こしてしまつた場合,その治療法としては,ステロイドの増量のほか,強力な方法はいまだに開発されていない.細胞障害性反応で,血管変性を主とする拒絶反応は,ステロイドの大量投与にも反応し難く,予後が悪く,80%は拒絶されてしまう.この拒絶反応で主体となるのは,移植抗原に対する細胞障害性の抗体であるが,これを除去できれば,拒絶反応の進行が予防できるのではないかという期待は納得がいく話である.
一方,good pasture syndromeやrapidly progressive glomerulonephritisに対して,血漿交換が有効であることより,腎移植の拒絶反応時に,ステロイド抵抗性の場合,この血漿交換が多くの人により試みられた1-9).これらの中で最初は,拒絶反応に対する血漿交換は有効であるという報告が多かつたが,control studyなどが行われ,その有効性を疑問視する報告も多くなつてきている.
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