Japanese
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特集 臓器全摘後の病態と管理
甲状腺全摘後の病態と管理—甲状腺と上皮小体の機能障害
Postoperative hypothyroidism and hypoparathyroidism
河西 信勝
1
,
白木 正孝
2
,
井藤 英喜
2
Nobukatsu KASAI
1
,
Masataka SHIRAKI
2
,
Hideki ITOH
2
1癌研究会附属病院頭頸科
2養育院附属病院内分泌科
pp.1117-1124
発行日 1983年8月20日
Published Date 1983/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208398
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はじめに
甲状腺全摘は甲状腺癌治療においてのみでなく,喉頭癌進行例,下咽頭頸部食道癌においても行われる1,2).甲状腺癌の中で悪性度の低いものあるいは非進行例では,上皮小体を保存して甲状腺全摘をしたり3-5),摘出した上皮小体を自家移植する6)ことも可能であり,ある程度の成果をあげている.しかし甲状腺進行癌,喉頭進行癌,下咽頭頸部食道癌では,上皮小体を温存することは事実上困難であるばかりでなく,時としてきわめて危険である.このような状況において,甲状腺・上皮小体を全摘せざる得ないのであるが,その際,甲状腺ホルモンの低下およびCa,Pを中心とした電解質の異常が生じ,時に致命的な状態をもたらす.しかしこれらの病態に関する報告は少なく,またその管理法に関しても具体性に乏しいものがほとんどである,ここでわれわれは甲状腺・上皮小体全摘例において,その急性期の病態および長期経過観察時即ち慢性期の病態を示し,これらの諸時期における管理法に関して報告する.
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