雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Rinsho Geka Volume 52, Issue 9 （September 1997）

臨床外科 52巻9号（1997年9月発行）

Japanese English

特集甲状腺と上皮小体の外科—最近の進歩

リンパ節郭清を伴う甲状腺全摘時の上皮小体温存に必要な上皮小体の解剖 Parathyroid preservation during total thyroidectomy with lymphadenectomy:An anatoniical view 登政和 ¹ Masakazu NOBORI ¹ ¹旭中央病院外科キーワード： deQuervainのdanger zone , 上皮小体動脈 , 上皮小体静脈 Keyword: deQuervainのdanger zone , 上皮小体動脈 , 上皮小体静脈 pp.1151-1158

発行日 1997年9月20日 Published Date 1997/9/20

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902836

PDF(29405KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside

　甲状腺全摘時の上皮小体血行温存にはその動脈だけでなく静脈も必要である．静脈の解剖についてはほとんどわかってないが，Thompson^1）の全摘術の成績は優れている．その理由は彼らが甲状腺後側の細い血管をすべて甲状腺固有被膜ぎりぎりで結紮切離し，上皮小体をその血管とともに後ろに残す結果，静脈も温存されるからであろう．リンパ節郭清を伴う全摘時の温存でも，移植の併用で優れた成績の施設が多い．その温存成績が良好な理由は甲状腺と咽頭，食道間“danger zone”にある動脈，静脈の豊富な吻合枝の大部分が残っているからだろう．