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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ!
一般外科手術
テーマ8◆甲状腺癌に対する甲状腺切除
甲状腺癌に対する甲状腺切除:「全摘」の立場から
Thyroidectomy for thyroid carcinoma:stand on a recommendation of total thyroidectomy
吉田 明
1
,
嘉数 綾乃
1
,
西山 幸子
1
,
山中 隆司
1
,
中山 博貴
1
,
吉田 達也
1
,
稲葉 将明
1
,
清水 哲
1
Akira YOSHIDA
1
1神奈川県立がんセンター乳腺・内分泌外科
pp.212-215
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104955
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全摘を選ぶメリットとしては,①多発する病巣をすべて取り除けること,②術後放射性ヨードによる残存甲状腺および微小な病変をablationできること,③術後Tgを利用したsurveillanceが行えること,そして何よりも④全摘により再発が減り生存率が向上すること,が挙げられる.また,亜全摘以下の手術を行った場合,のちに残存甲状腺組織に結節ができてくることが意外と多い.
デメリットとしては,甲状腺の全摘に伴う①甲状腺機能低下,②副甲状腺機能低下,③反回神経麻痺といった合併症が増加すること,が挙げられる.①については避けられないが,葉切除を行った場合でも約1/4は甲状腺ホルモン剤の補充が必要である.②③を避けるには,成書にある反回神経走行や副甲状腺の存在部位と同定法をよく理解し,なるべく丁寧な手術を心がける以外に方法はない.また,このような合併症は進行癌で起こる可能性が高く,非進行例では頻度は低いとされている.
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