Japanese
English
臨床報告
早期十二指腸癌と十二指腸カルチノイドの併存した1例
A case of early duodenal carcinoma combined with duodenal carcinoid
関 雅博
1
,
津田 基晴
1
,
龍村 俊樹
1
,
山本 恵一
1
,
古屋 正人
2
,
古屋 忠
2
Masahiro SEKI
1
1富山医科薬科大学医学部第1外科
2古屋外科病院
pp.1419-1423
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208136
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はじめに
原発性十二指腸癌はかなり稀な疾患であり,発生母地上,膵管あるいは胆管由来のものとの区別が明確でない,いわゆる乳頭部癌を除外するとさらに報告は少なくなる.また,その発生頻度,部位,症状発現時期などからみて,従来早期発見は困難なことが多く,進行した症例の予後はとくに不良であるといわれる.しかし,その病理形態により治癒の可能性は異なり,さらに最近,内視鏡診断技術の向上普及とともに早期癌の報告例もみられるようになつた.
われわれはポリープ状に発育し,かなり巨大ではあるが深達性に乏しく,組織学的にも粘膜内にとどまる乳頭上部十二指腸癌を経験した.この症例はさらに十二指腸球部にカルチノイド腫瘍をも併存しており,この両者の併存は極めて稀で,いまだ本邦での報告はみられない様である.本文ではこの症例の提示に若干の考察を加えて報告する.
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