特集 Controversy;皮切と到達経路
〈コメント〉—肝広汎切除の到達路
葛西 洋一
1
1北海道大学医学部第1外科
pp.1347-1348
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208123
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はじめに
肝切除のための皮切と到達路は,できるだけ広い視野が得られるようにすることである.また,基本的な考え方は菅原らと同様で肝疾患の性状と部位によつてことなるのである.悪性肝疾患では,リンパ節郭清を徹底して行うという必要性から,とくに広い視野が得られる皮切が要求される.したがつて,皮切にともなう体壁の神経,血管,筋肉損傷による障害も,止むを得ないものとしなければならないのであるが,われわれの経験では,予想外に,皮切に続発する障害は少ないのである.
われわれは,肝広汎切除とくに拡大肝右葉切除など肝右側の手術では,開胸腹到達法を行つた時期もあるが,最近では,ほとんどすべての場合に開腹術のみで行つている.
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