手術手技 基本手技・14
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西村 泰司
1
,
小島 宗門
2,3
1日本医科大学附属千葉北総病院泌尿器科
2京都府立医科大学泌尿器科
3現・名古屋泌尿器科病院
pp.114-116
発行日 2000年2月20日
Published Date 2000/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902842
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まず述べたいのは,オリンパス社製半月型切開メスの使い難さについてで,先端が尖ったCirconACMI社の尿道切開刀・スタビライザー付きコールドナイフ(図)をお勧めしたい。軽度の尿道狭窄であれば,型のごとくガイドワイヤーを送りそれに沿って尿道を狭くしている輪状の膜様突出を何か所か切開すればよく,オリンパス社製半月型またはそれを細長く改良した切開メスを用いてもあまり問題はないかもしれない。しかし,手術適応となるほどの症状を有する症例では,ガイドワイヤーが送れない症例も少なくない。また,狭窄が強度で術野となる内腔が狭い症例や狭窄の距離が長い症例では,オリンパス社製メスは視野の妨げになる他,細かい切開ができない不便さがある。Circon ACMI社製ナイフでは,狭い内腔でも小さい彫刻刀を用いるように細かい操作ができる。切開する際の力加減も内視鏡の末端に加える術者の力で微妙にコントロールできる。以前は,尿管口またはそれよりやや腎側に嵌頓した結石に対し,このナイフで尿管口を切開したのち,ナイフに切断,彎曲の工夫を加えてから耳かきで堀るような結石除去や,経皮的腎尿管切石術時における尿路粘膜からの結石遊離に用いたほど,実に器用な操作が可能である1)。
また,外来で内尿道切開術を行う場合は膀胱瘻を置かないので,膀胱が灌流液で満たされてしまうと灌流液が流れなくなり,術野が観察できず切開不能となる。
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