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特集 胆石症をめぐる最近の話題
サイレントストーンをどうするか
内科から
How to treat the "silent stone"-as an internist
中野 哲
1
,
武田 功
1
Satoshi NAKANO
1
,
Isao TAKEDA
1
1大垣市民病院第2内科
pp.1081-1085
発行日 1982年7月20日
Published Date 1982/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208077
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はじめに
胆石症は日常よく遭遇する疾患である.一般に胆石の存在する部位によつて胆のう胆石,胆管胆石,肝内胆石(結石)に分類され,その臨床症状はこれらの胆石の部位により,あるいは感染症等の合併の有無により,腹痛の部位,程度や発熱,黄疸の頻度も異なつている.一般に胆石症の場合,胆石仙痛,黄疸,発熱などを伴い易く,右季肋部痛や不定の腹部症状を訴えることも多い.しかし,なかには症状を示さない無症状胆石があり,潜在性胆石,あるいはsilent stoneといわれるものがある.このsilent stoneは上部消化管透視の際か,あるいはその他の機会に偶然に発見されることが多い.
胆石症は組成により,コレステロール系石とビリルビン系石に2大別される.コレステロール系石は主に胆のうで形成されるが胆のう内に留まつているうちはほとんど症状をおこさない.しかしこれが胆のう頸部や胆のう管に嵌頓したり,通過する際に,激痛発作を呈してくる.一方,ビリルビン系石は主に胆管で形成され,その症状は多彩であり無症状で経過することはほとんどない.
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