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特集 胆石症をめぐる最近の話題
サイレントストーンをどうするか
外科から
Surgical indications in silent cholecystolithiasis
高田 忠敬
1
,
安田 秀喜
1
,
宍倉 実
1
,
内山 勝弘
1
,
四方 淳一
1
Tadahiro TAKADA
1
1帝京大学医学部第1外科
pp.1087-1092
発行日 1982年7月20日
Published Date 1982/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208078
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はじめに
胆石保有者は,わが国成人の5〜7%にあるといわれ,日常の診療において遭遇する機会の多い代表的な腹部疾患のひとつである.しかし,手術適応についてみると,胆石保有者の全てを対象とすることにはいまだ,一,二の問題がある.絶対的手術適応として,胆嚢穿孔や胆汁性腹膜炎,胆石による閉塞性黄疸や胆管炎の併発,その急性増悪など,合併症を有する胆石症に関しては内科,外科を問わず一致している.しかし,症状の軽微な胆嚢結石や全く無症状で検診などで偶然発見された胆嚢結石—silent stone—については,経過観察するとの意見が多数を占めている1-7).一方,経過観察している間に急激に発症し,しかも,重篤な合併症もなかにはみられるので早期に手術をすすめるとの意見もある6-13).
ここでsilent stoneの手術適応の再考がとりあげられたのは,最近の超音波断層法を中心とした診断学の進歩によつて,silent stoneの発見率がこれまで以上に増加していることから,手術適応についてより明確にしうるかとの問いかけと考えられる.そこで,胆石症手術症例を中心に,胆石症発症分類からsilent stoneの手術適応に検討を加えた.
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