特集 外科外来マニュアル
私の治療
各論—頭頸部
三叉神経痛
若杉 文吉
1
1関東逓信病院ペインクリニック科
pp.632-634
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207960
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□概説
特発性三叉神経痛は50歳代に最も多く発症し,女性に2倍多い.その特徴は発作性激痛で,電気が走るような,針でさされるような痛みはtrig—ger areaの軽い刺激で誘発される.痛みは食事,会話等の際に多く,夜間はおこらない.痛みは第Ⅱ枝領域に最も多く,第Ⅰ枝はすくない.神経学的検査で異常は認められない.治療はまず薬物療法で,それが無効あるいは副作用のある場合は神経ブロック療法を行う.外科的に末梢枝を切除することは必ず再発するので意味はなく,むしろ,頭蓋内の三叉神経減圧術が期待されている.
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