Japanese
English
特集 三叉神経系
三叉神経痛
Trigeminal neuralgia
若杉 文吉
1
Bunkichi WAKASUGI
1
1関東逓信病院麻酔科
1Department of Anesthesiology, Kanto Teishin Hospital
pp.1096-1104
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903687
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はじめに
これから述べる三叉神経痛は断りのない場合でもすべて特発性三叉神経痛についてである。この疾患は生命への危険はないけれども次の2点で注目されている。一つは強烈な激痛発作で治療面から,他は似た症状で重篤な疾患の潜む可能性があるので診断面からである。
筆者はわが国でペインクリニックが発足したと同時にこの疾患の診療を開始し,以来12年が経過している。その経験の一部は本誌11巻に同じテーマで書いた1)ので,7年経過した今回はやや趣向を変え,三叉神経痛についてどのような知見が得られ,どのような疑問があるか,もっぱら筆者の考えを主として述べ,いわゆる問題提起をしてみたい。さらに診療した症例数も現病院で1,000例を超えたので,それらの症例の分析を基として症状ならびに診断の進め方を,最後に神経ブロック療法の優れた点を述べて,諸賢のご批判を仰ぎたい。
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