特集 外科外来マニュアル
私の治療
各論—頭頸部
顔面外傷救急処置の一般的事項
若井 淳
1
1東京警察病院形成外科
pp.611-613
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207950
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□概説
交通外傷を含めた救急災害のうち,頭部顔面の損傷が,からだの他部の損傷に比して,近年の統計的観察からも圧倒的に多いことが知られている.顔面外傷は機能的にも,整容的にも,その取扱い方に独自なところがあり,従来,救急治療に携わる医師が根本的に改善した方が良い点,またややもすると見過しやすい誤りなどが目につく現況に鑑み,形成外科的専門の立場から2,3思いつくままを述べて見たい.実際に,顔面損傷で裂傷等の救急治療の場合,われわれは専門外だからと応急的手技に終止し,あとでゆつくり形成外科的治療にゆだねられる場合が多いのであるが,この新鮮裂傷の時点でかなり意を払つた取扱いを施されるならば,二次的手術治療がかなり軽減され,場合によつてはそれらが不必要となることも少なくない.これには創傷の形成外科的手技に慣れていただくことが肝要であり,これとてもそれ程面倒なことではないと信ずるものである.
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