Japanese
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診療メモ
開腹術時の一般事項に関するメモ
General cautions at labarotomy
清水 直太郎
1
Naotaro Shimizu
1
1佐世保共済病院産婦人科
pp.201-205
発行日 1959年2月10日
Published Date 1959/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201914
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1)手術前夜の睡眠を妨げない為に手術前日の午後3時にヒマシ油30gを与え,下痢が夜間までに終るようにし,軽く夕食を摂らせてから熟睡させる為に午後8時にラボナ2錠を投与する。以後は患者は便所に行く場合には,ふらふらして危険であるから附添人をつけるか,病室で用便する方が安全である。便器を使うことは練習しておかぬと術後に苦労するから慣れておくがよい,手術日は朝食を抜き番茶だけを摂らせ,午前9時から1時間当毎に3回浣腸し,術前2時間(正午)に前麻(カクテル麻酔等)の注射をする。手術は原則として午後にするので,午前中に体温,血圧,脈搏等の一般状態を診たり,必要ならば輸血,水分補給(5%ブドウ糖液とリンゲル氏液の等量混液)をする。強出血があつたものに輸血,点滴静注をすることはすぐ気付くが,既往の経過が比較的緩慢で,少量の出血が反復して次第に全身状態が悪化したもの,又悪液質が次第に増強したものでは,余剰体力が消耗している処に手術準備の為に下剤を与え,浣腸して水分を失うから,外見以上に蛋白質,水分の不足状態にあることを考えて補液しておくことが大切である。低蛋白状態,脱水状態はショック準備状態であるから,手術時のショックを防止するのに補液は極めて有効な処置である。
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