Japanese
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特集 食道静脈瘤手術
直達手術の術式と適応
食道離断術(経腹法)
Transabdominal esophageal transection
遠藤 光夫
1
,
高崎 健
1
Mitsuo ENDO
1
,
Ken TAKASAKI
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.189-193
発行日 1982年2月20日
Published Date 1982/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207887
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はじめに
食道静脈瘤に対する直達手術の目標とするところは食道と門脈系の血行路との連絡を遮断することにある.そこで手術を行うに際してはこれらの連絡路を形態的に把握しておかなければならない.わずかにでも連絡路が残る時には静脈瘤はそのわずかに残存した連絡路からの圧を受けて静脈瘤として残存してしまうという結果となつてしまう.われわれは約9年前より経腹的食道離断術を行つてきており現在までに126例に施行してきたが,初期に行つた症例のうち数例に再吐血が起こつており,これらに対する反省から食道静脈瘤の成り立ちに関する検討を深め,血行郭清の方法を更に徹底すべく改良を加えてきた,と同時によりriskの悪い症例に対しても手術適応を拡張しようという観点より術式の簡約化を図つてきた.そして現在では手術時間はほぼ2時間に短縮され,術中出血も平均1,000mlに満たないという程度までに改善され,術前,術後管理の工夫と合まつて,安全な手術となつてきた.そこで本誌ではわれわれが現時点で考えている本術式及びそれにともなう術前,術後管理などについて総論的な点について述べるとともに,同じく現時点でのわれわれの手術適応に関する考えを述べる.
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