Japanese
English
臨床報告
多彩な肉眼所見を呈した急性回腸末端炎の1例
A case of acute terminal ileitis presented macroscopically variegated findings
山口 晃弘
1
,
蜂須賀 喜多男
1
,
磯谷 正敏
1
,
近藤 哲
1
,
堀 明洋
1
,
安井 章裕
1
,
廣瀬 省吾
1
,
山田 育男
1
,
深田 伸二
1
,
宮地 正彦
1
,
嶋 芳成
1
Akihiro YAMAGUCHI
1
1大垣市民病院外科
pp.147-151
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207882
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はじめに
回腸終末部に見られる急性炎症は,従来クローン病の急性型として報告されていたが,近年ではその概念に疑問が持たれ急性回腸末端炎と呼び,起因菌としてはYersinea Enterocoliticaが注目されている.
急性回腸末端炎はほとんどの症例が保存的治療で治癒するため,その切除例は少なく,したがつて粘膜病変の肉眼的形態はあまり記載されていない.著者らは急性虫垂炎の診断のもとに開腹術を行い,回腸終末部に腫瘤様病変と所属リンパ節の腫大を認めたため回盲部切除術を行つたところ,肉眼的には隆起や陥凹を伴う多彩な所見を認め,組織学的にはYersinea Enterocolitica感染による急性回腸末端炎に酷似した症例を経験したので報告する.
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