Japanese
English
臨床報告
長期にわたり特異なbehaviorを示したGrawitz腫瘍の1手術例
A case report of slow growing Grawitz's tumor
黒柳 弥寿雄
1
,
加古 健
1
,
藤田 治樹
1
,
壺井 孝良
1
,
安江 満悟
2
Yasuo KUROYANAGI
1
1国立療養所東名古屋病院外科
2愛知県がんセンター外科
pp.1797-1800
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207842
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腎細胞癌に対する腎摘出術の予後は転移がいつ,どこに起こるかによつて決定される.一般に10年生存率でみると18〜23%である1-3).ところが原発不明の転移巣は腎癌を疑えといわれるように初発症状が転移巣のものであとになつて原発巣が発見される症例もかなり多い4).一方においては腎摘出術によつて遠隔転移巣が消失,縮小することが従来より知られており,また腎細胞癌のなかには非常にゆつくりした経過をとるものや,腎摘後多年の間隔をおいてから転移巣が発見されるような報告もあつて,そのbehaviorは極めて多彩である5-11).本報告は発症から腎摘出術までに14年,腎摘後4年半と11年目にそれぞれ孤立性の肺転移が発見され,いずれも摘出が可能であつた全経過25年に及んでいるslow gro—wing typeの腎細胞癌の一例について報告する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.