泌尿器科圖譜・3
Grawitz腫瘍
鈴木 三郎
1
1慶大醫專
pp.257-258
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200521
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50歳,男,初診昭和24年9月26日。家族歴既往歴に特記するものはない。現症歴,24年6月末から右側腹症部に腫瘤を氣付いた。血尿等泌尿器系症状は何等訴えておらない。9月中旬頃がら次第に膨滿感を訴えてきた。初診時は理學科で消化器系レ線撮影を受け異常を認めないので當科轉じた。
現症:胸部レ線所見も變化なく,肝,脾を觸れない。血液所見も正常である。左腎は觸れず,右腎下極が手拳大に觸れ柔軟可動性である。前立腺は稍萎縮の感じで尿管肥厚を缺いている。右睾丸,睾上體は正常であるが,左睾丸は示指頭大に萎縮している。尿所見では硝子樣圓柱が見出された外,異常がない。水試験。總尿量1200c.c.比重差25。膀胱鏡所見。著變なく,青試驗は右6′—6′10′左3′10″—4′15″である。分離尿には特記するものなし右腎尿は血球さえ缺いている。氣腎法(300c.c)及び逆行性腎盂撮影(第1圖)を行うと右腎腫瘍は確實である。
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