Japanese
English
特集 迷切後の諸問題
術後の愁訴および障害
胃内容停滞
Post-vagotomy gastric atony
渡部 洋三
1
,
近藤 慶一郎
1
,
加藤 弘一
2
Yōzō WATABE
1
,
Keiichiro KONDO
1
,
Kōichi KATO
2
1順天堂大学第1外科
2武山加藤病院胃腸科
pp.1715-1721
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207829
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はじめに
1943年,Dragstedt1)によつて広められた迷走神経切離術(以下,迷切術)は,幾多の先駆者2-10)によつて術式の改良が行なわれ,現在施行されている迷切術は,選択的胃(選胃)迷切術兼胃半切術,選胃迷切術兼幽門洞切除術(幽切術),選胃迷切術兼幽門形成術(幽成術)および選択的近位(選近)迷切術±幽成術などである.これら迷切術のうち術後に胃内容停滞をきたすのは選近迷切術を除いた例である.迷切術は消化性潰瘍に対して行なわれているが,胃癌に対する幽門側胃切除術のうち,1番のリンパ節廓清が行なわれた例は全幹迷切術となることが多いので胃内容停滞をきたす可能性がある.しかし残胃が小さい例が多いためその頻度は極めて小さく,本稿ではとり上げない.
今回は1977年から1981年6月までに教室で行なつた選胃迷切兼幽切術67例および関連病院で行なつた19例計86例を中心に,文献上の成績も加えて胃内容停滞の病態,予防および治療について述べる.
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