Japanese
English
臨床報告
6歳児,末梢気管支Adenoid cystic carcinomaの1例
Adenoid cystic carcinoma of the bronchus in a six-year-old child:Report of a case
半沢 隆
1
,
串田 則章
1
,
鹿志村 香
1
,
山崎 東
1
,
児玉 喜直
1
,
阿部 伸夫
1
,
伊坪 喜八郎
1
Takashi HANZAWA
1
1東京慈恵会医科大学第1外科
pp.1465-1468
発行日 1981年9月20日
Published Date 1981/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207799
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はじめに
気管支腺腫(bronchial adenoma)は,1882年,Müller1)により剖検例が報告され,1930年,Kramer2)により提唱された名称である.その後,1937年,Ha—mperl3)によりcarcinoidとcylindromaに分類され,1951年,Huizingaら4)により,mucoepidermoid tu—morが追加された.しかし最近では,carcinoidは原腸系組織臓器に散在性に存在する内分泌系細胞に母細胞を求めうるホルモン産生腫瘍5)であり,気管支carci—noidは気道に分布しているargentaffine cellに由来するという概念が一般的である.また,分泌上皮細胞に由来するとされているcylindromaの名は,組織学的に腫瘍細胞の配列を表わす名に改められ,悪性腫瘍としての性格が強いことから,Reid6)が提唱したadenoid cy—stic carcinomaの名称が一般化された.さらにmu—coepidermoid tumorも悪性腫瘍としてmucoepider—moid carcinomaと呼ぶようになり,1977年WHOの分類および1978年の本邦の肺癌分類でも,それぞれ個別の分類を受けている.著者らは6歳児にみられた末梢気管支adenoid cystic carcinomaの一例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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