特集 術後1週間の患者管理
乳房切断術
金杉 和男
1
1聖マリアンナ医科大学第1外科
pp.499-503
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207654
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
乳癌における乳房切断術は標準術式としての定型的乳房切断術が挙げられるが,大胸筋や小胸筋を保存して本法の縮小を試みる非定型的乳房切断術(Modified radical mastectomy)や胸骨旁郭清や鎖骨上郭清を付加し徹底した郭清を追求する拡大根治術(Extended radical mastectomy)も実施されている.各術式により術後管理は多少異なるが,表在性臓器である乳房の切断による手術侵襲は比較的軽度である.そのため全身管理は他疾患の一般的な管理方法と差異は少ないが,むしろ大きな皮膚弁を縫合したり,植皮を施行したり,血液や滲出液を排出するためのリリアバッグやヘモバックなどと接続したドレーンの管理が大切で,その巧拙が局所の創傷の治癒に大きな影響を与える.また術後の上肢の運動方法は静脈やリンパ液の循環障害による浮腫や肩関節の運動制限の予防に有用であり,術直後より対処する必要がある.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.