Japanese
English
特集 胃癌のAdjuvant Chemotherapy
3つのprospective controlled study
その1
part 1
今永 一
1
,
中里 博昭
1
Hajime IMANAGA
1
,
Hiroaki NAKAZATO
1
1愛知県がんセンター
pp.175-183
発行日 1981年2月20日
Published Date 1981/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207603
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はじめに
胃癌のadjuvant chemotherapyにおける確率化比較対照試験(randomized controlled trial)は1957年アメリカのMoore1)およびHiggins2)が多施設による協同研究を実施したのが最初である.それらの研究とあい前後して,わが国においてもこの問題が厚生省がん研究の一課題としてとり挙げられ,国立病院グループによる小山班と,全国主要大学および専門病院グループからなる今永班の2大研究班が結成され,年余にわたる研究が続けられている.これらのグループにおける詳細な研究成績に関しては逐年的に報告されているので3-8),それらの文献を参考にされたい.
これらの研究を契機として,近年,prospective randomized controlled clinical trialsは欧米をはじめわが国でも多数実施されるようになり,最近では世界の各国における癌治療プロトコール総括集(724頁におよぶ)も毎年編集されている9).本稿ではまずこのような前向きの臨床試験が何故必要とされたか,そしてその研究の狙いについて述べ,ついで今永班で検討された4つの確率化比較対照試験から導かれた胃癌治癒切除後のadjuvant chemotherapyの効果について評価する.さらに,このように長期化せざるをえなく,かつ中途打ち切りデータの付き纒う臨床試験の効果判定の問題点とその対策について言及する.
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