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綜説
余の膵臓頭部十二指腸切除術に就て
My Pancreaticoduodenectom
今永 一
1
Hajime IMANAGA
1
1名古屋大学
1NAGOYA University
pp.163-166
発行日 1955年3月20日
Published Date 1955/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201581
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膵臓頭部,十二指腸切除術は膵臓頭部癌は勿論十二指腸癌,総輸胆管癌,幽門癌の膵臓頭部に浸潤せる場合等に行わなければならない手術であるが,本手術は手術侵襲も大で然かも黄疸を伴つて肝障碍も強い場合も多いのでそれだけでも手術成績は不良となるものであるがそれに加えて技術的にも困難な点も2,3あるので腹部疾患の手術としては最も困難なものでそれだけ又興味ある手術法である,私も本手術に興味を持ちて及ばずながらこの2,3年来本手術成績の向上に努力し技術的にも工夫を加えて今日漸く本手術に対して確信を得るに至つたので茲に私の手術方法を記述して大方諸賢の御参考に供したいと思う次第である.
本手術に於て技術的に困難なる点を挙げると門脈剥難及び,膵管,空腸吻合術との2点である.私の工夫せる点はこの膵管と空腸との吻合術の点であるので特にこれに就て述べて見たい.先ず順序として腹壁切開法であるが私は2方法を行なつているが何れでもよい様である.即ち第1図の(a)の如く季肋弓下縁より約2cm位下部の部で横切開を行う場合と(b)の如く剣状突起より臍部までの正中線切開に加えて右横への横切開を行う場合とである.
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