Japanese
English
臨床研究
Elemental Dietによる大腸手術の前処置
The effect of an elememtal diet as preoperative preparation for the colon surgery
相場 哲朗
1
,
小山 真
1
,
福田 稔
1
,
畠山 勝義
1
,
山岸 良男
1
,
吉川 恵次
1
,
薜 光明
1
,
広田 正樹
1
,
吉川 和子
1
,
武藤 輝一
1
,
仁田原 義之
2
Tetsuro AIBA
1
1新潟大学医学部第1外科
2新潟大学医学部細菌学教室
pp.1734-1740
発行日 1980年12月20日
Published Date 1980/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207574
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,臨床で盛んに用いられるようになつたelemental diet(以下,EDと略す)は,chemically defined diet(CDD)とも呼ばれるごとく,化学的に成分が明らかであり,ほとんど全ての成分が消化を必要とすることなく,そのままの形で容易に吸収されるという特徴を持つている.そのため,その適応は(表1),intravenous hyperalimentation(IVH)と同様に広範囲に渡り,enteral hyperalimentationも可能である.特にEDの吸収は,大半が小腸上部で行なわれ残渣がほとんどないことより,大腸疾患の術前術後の管理にEDが用いられ著しい効果が認められている.
今日まで,ED投与による大腸手術の前処置の効果として,糞便量および糞便中細菌数の減少に関し,数多くの報告がみられる.糞便量の減少についてはEDの特徴より異論のないところであるが,糞便中細菌数については減少しないという報告も多く,未だ結論は得られていない.そこで著者らは,ED-AC(表2,味の素KK製造,森下製薬KK販売)を用いて大腸の前処置を施行し,糞便量,糞便中細菌数につき,動物実験および臨床例で検討を加えた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.