Japanese
English
特集 外科と大腸—炎症性疾患を中心に
潰瘍性大腸炎の外科的処置と術前・術後管理
Surgical treatment and pre-Sportoperative care of colitis ulcerosa
小山 真
1
,
岩淵 真
1
,
和田 寛治
1
,
相馬 剛
1
,
武藤 輝一
1
Makoto KOYAMA
1
1新潟大学医学部第1外科教室
pp.1679-1687
発行日 1972年12月20日
Published Date 1972/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205716
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はじめに
潰瘍性大腸炎についてすでに多くの研究がなされているが未だにその病因は全く不明と云つてよく,したがつて内科的にせよ,外科的にせよ本症の治療は対症療法の域を出ず,完全な治療法は未だないと云つてよい.しかし多くの先人の努力により現在では一般に広く受け容れられる治療法が次第に確立されつつあると考えられる.わが国では1958年の松永の全国集計に始まり臨床経験を重ねてきたが,昭和44年12号の「胃と腸」における本症の特集と座談会の集録に現時点における総論とも称すべき優れた報告が載せられている.それに対し本年7月の消化器外科学会での多くの報告はその後の進歩も含めて外科領域におけるいわば各論ともいうべきもので,シンポジウムを中心に,より具体的に本症の治療につきわれわれが悩んでいる点が多く討議された.われわれも本症の術後処置についての経験を述べたのであるが,今回はその報告を中心としてさらに術前処置,手術法などについての経験を加えて本症の手術療法におけるわれわれの考え方をのべたい.症例についてのべる前に,外科の立場よりみた本症についての現時点での問題点をあげ緒論に代えたい.なお病因論については今回はふれない.
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